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大学概要

教員の紹介

中村 文彦
NAKAMURA Fumihiko
基礎教育 / 准教授
基礎教育系

研究者情報

  • 学位

    理学博士(理学)(北海道大学)

  • 担当授業科目

    データ統計基礎,線形代数Ⅰ,線形代数Ⅱ,解析学Ⅱ

  • 専門分野

    力学系,エルゴード理論,ランダム力学系

  • 所属学会

    日本数学会

研究室の概要

「力学系」とは今の状態から次の状態を決めるルールのことをいいます。例えば今の天候の状態から翌日の天候を予測する天気予報、外部刺激を受けて活動する体内の挙動、毎年新緑と紅葉を繰り返す木々の営み、機械学習における学習プロセスなどなど、世の中には力学系として扱えそうな現象が溢れています。本研究室ではこのような「力学系」に対して、理論と応用の両面からアプローチしています。状態の遷移過程において、安定(不安定)な状態とは、カオス、フラクタルとは何かを勉強し、数学モデルと実際の現象への応用を試みます。必要に応じて、微分積分や線形代数の復習や、集合論や確率論なども勉強も行います。また可能な範囲で数値計算(プログラミング)を行い、現象の複雑さがどのような理由から生まれるのかを理解します。

研究室の研究テーマ

  • 力学系?エルゴード理論?確率論

    今の状態から次の状態を決めるルールを力学系と呼びます。微分方程式もその一例ですし、y=f(x)という関数も力学系と考えることができます。例えばf(x)=2xという関数はxという状態を2倍にするルールといえます。これを繰り返し適応すると2倍,4倍,8倍,…と増えていくことがわかります。これは単純な例ですが、もっと複雑なルールを与え状態遷移が複雑になっていったときに、その現象をどう理解するかを学ぶのが力学系理論です。実際の現象は力学系を用いてどのように記述できるか、その力学系が示す現象とは、これらの問いにエルゴード理論や確率論の技法を用いてアプローチします。

  • ランダム力学系

    力学系の中にノイズを考慮した理論をランダム力学系と呼びます。世の中の現象は少なからずノイズが含まれていると考えれば、現象の理解にはランダム力学系の方が自然であるということもできます。ノイズがあるからこそ生まれる現象、ノイズがあると消滅する現象など、ランダムならではの現象は多くみられ、これらの現象の理解のためにはどのような理論の構築が必要か研究しています。現象を直感的に理解することも大切なので、必要に応じて見てみたい挙動の数値実験(プログラミング)も行います。

  • 数学応用?トライロード

    力学系的手法、確率論的手法、統計的手法などから、数学の異分野への応用を一つの目標に掲げています。これまで、検査資源の最適配分問題、脳波が示す状態変化の数理モデルによる理解、遺伝子発現量の多変量解析などに取り組んでいます。
    トライロードは私が考案したシンプルでも奥深い数学的ボードゲームです。将棋や囲碁よりも圧倒的に簡単なはずなのに最適戦略の計算法は未だ未解明であり、数学的なモデル化と評価関数を用いたAIの開発の両面からの解明を試みています。またこのゲームを題材にしてSTEAM教育の活動にも取り組んでいます。